あかつき、軌道投入失敗とても残念でした。
非常に暗い気持ちになりましたが…
6年後、軌道が交差することが判り、リトライすると言うことで、ちょっと安心しました。
今回、失敗後わずか1日でリトライの発表がありましたが…
ちょっと発表が早いように感じます。
その理由は…
1)回転し始め退避姿勢に入ってしまった理由が分かっていない。
2)燃料残量が確定していない。
3)あかつきの現在の軌道要素が完全に確定できたのか、将来の効率的な軌道要素の計算ができたのか。
と感じます。
また、あまり大きな期待を持たせても、機体の設計寿命2年の3倍を過酷な宇宙空間で過ごすのですから、大変なことです。これは人間を240歳まで生かそうというのに近いように感じます。
もっとゆっくりと検討した方がよかったのではないでしょうか?
なぜいま、そんなにはやくに発表する必要があったのでしょうか?
一つは、「はやぶさ」が満身創痍で帰ってきて、国民的な感動を呼びました。
「鉄は熱いうちに打て」でしょうか?
それだけではなく、その背景には国の予算の厳しさがあると思います。
なにせ、人工衛星(もう衛星ではなく、太陽の周りを回っているのですから「人工惑星」になっちゃいましたが)1機250億円。
「失敗しました、すみません」ではすまないのです。
ときは年末、財務省の来年度予算の編成時期。
この失敗をあげつらわれて、「どうして国内で宇宙開発をしなくてはならないんですか?」とか蓮舫あたりにいわれて、宇宙開発予算の削減につなげられたくなかったのではないでしょうか?
しかし、非常に意欲的なプロジェクト。
そして粘り強い運用。
失敗にめげることなく、頑張って欲しいです。
私も応援します。
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<あかつき>金星周回軌道への投入に失敗 JAXA
あかつきの金星周回軌道への投入失敗について会見するプロジェクトマネジャーの中村教授(右)とJAXA宇宙科学研究所の小野田所長=相模原市で2010年12月8日午前11時9分、八田浩輔撮影
トラブルに見舞われていた日本初の金星探査機「あかつき」について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、「金星の周りを回る軌道への投入に失敗した」と発表した。エンジンの逆噴射が短時間で終わったため十分な減速ができず、金星付近を通過して遠ざかったとみられる。JAXAは、あかつきが再び金星に近づく6年後に再投入を試みることを決定。その一方、小野田淳次郎・宇宙科学研究所長をトップとする調査・対策チームを設置し、失敗した原因の調査を始めた。日本は98年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」の火星軌道投入にも失敗しており、惑星探査は2回続けて失敗となった。
あかつきの運用管制室があるJAXA宇宙科学研究所(相模原市)で8日午前、小野田所長とプロジェクトマネジャーの中村正人教授が会見し明らかにした。小野田所長は「今回は投入を断念することにした。今後取るべきベストの方法を、対策チームで検討したい」と述べた。中村教授は「国民のみなさんの期待に応えられず申し訳ない。6年後に再び金星に最接近する。その時に再び投入に挑戦したい」と話した。
あかつきは5月に打ち上げられた後、金星に接近。7日朝、計画通りにエンジンを逆噴射し、進路変更を始めた。しかし、直後にあかつきが金星の陰に入ったため通信が途絶。その後、非常時に自動的に作動する低利得アンテナで交信が回復したが、不安定な状態が続いた。
8日朝まで徹夜の作業の結果、あかつきは逆噴射直後、機体が非常事態の際に取る「退避姿勢」に入ったため、噴射が止まったと推定。このため金星の周回軌道に入れず、太陽を回る軌道上を飛行。全燃料を使用しても復帰できないと分かり、投入を断念した。逆噴射時間は最低9分20秒必要だったが、2~3分間で止まったとみられるという。
6年後の最接近は16年12月と17年1月の2回あり、金星から今回(550キロ)より遠い約370万キロ離れたところを通る計算だが、軌道調整でより近付けることは可能で、再度、軌道投入を試みることを決めた。あかつきの設計寿命は2年間だが、打ち上げの延期に備えてバッテリーにもともと余裕があり、逆噴射が短時間で終わったことで燃料も約8割残っているため、再挑戦は可能と判断した。
ただし、金星より太陽に近い経路を通るため、高温や放射線による機器損傷のおそれがあるという。あかつきが6年後まで無事かは未知数だが、中村教授は「(小惑星探査機の)はやぶさも7年間航海したが損傷はなかった」とし、引き続き管制を続けると述べた。
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エンジン噴射口周りのデータ解析開始 探査機あかつき
2010年12月9日11時20分
金星を回る軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構は9日、破損した可能性があるエンジンの噴射口周りのデータの本格的な解析を始めた。あかつきは噴射開始から2分23秒後に突然姿勢を乱し始めており、この前後で噴射口の温度や燃料の流れに問題がなかったかなどを確認、原因がエンジンの破損だったのかどうか見極める方針だ。
宇宙機構の立川敬二理事長は、同日の記者会見で「研究者の努力にもかかわらずうまく行かず、みなさんに申し訳ない。二度と起こらないように努めていきたい」と話した。失敗の原因について「アンテナ(による通信)もつながり、詳細なデータが得られたので、比較的早い段階で究明できると思う」と述べた。
あかつきは、地球から見て金星の向こう側にいった直後の7日午前8時50分ごろ突然、5秒で1回という急激な回転を始めた。何らかの衝撃が加わったと見られる。
あかつきのエンジン噴射口は、世界で初めて開発されたセラミックス製。高温に耐えられる一方で、通常の合金製より割れやすい欠点もある。
宇宙機構によると、高速アンテナによる通信で機体状況の記録を取り出せたが、データ量が膨大なため、姿勢以外の解析はこれからになる。